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第10章 調査結果をもとにした委貝全員による座談会
「過疎地域における文化・芸術資源を生かした地域振興のあり方に関する調査研究」委員会は、委員の調査がまとまるのを待って、平成9年1月16日(木)午後2時から、およそ2時間半にわたって、霞ヶ関ビル33階の東海大学校友会報において、全委員が出席して、座談会を開催した。

鈴木委員長 きょうは、どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、きょうはそれぞれ先生方お調べいただきましたところを踏まえまして、忌憚のないところのご意見を伺わせていただきたいと存じます。
過疎の中で、それぞれの市町村がどのような取り組み方をして、またどのような立ち上がり方をしているのか、つぶさにごらんになったことをお述べいただければ幸いでございます。
私は、昭和63年7月に熊本県の要請を受けまして、熊本県立劇場の運営を委託されました。私は、かねがね地方自治というのは一軒一軒の家に文化や福祉を出前することだと考えておりましたので、翌月の8月から県内98市町村を半年かけて一つずつ丹念に歩きました。そこで二つのことに出会いました。
一つは、「伝承芸能」でした。それまで私は、テレビの中で36年間暮らしてまいりましたが、テレビというのは「終」という字が出たらそこで終りでございますが、私たち日本人がたくさんの精神性を稲作から学び取ってきた、その具体的な形が伝承芸能であるということと、それが長い間農村の人たちのエネルギーによって繰り返されて受け継がれてきたということに大変大きな衝撃を感じました。しかしその半面、それが過疎によって目の前でつぶれていくという現象も同時にみまして、大変驚きました。恐らく、ごらんになった皆さんもそういう印象をお受けになったであろうと私は勝手に想像しております。
まず、実際に行って、村や町の様子がどんなであったか。そこで過疎というものを目撃されて、その中でどのようにしてそれぞれの町民、村民が立ち上がろうとしていたか。それを文化を通してごらんいただきたいんです。
井上さんは、こういったことに携わられたのは初めてでございますか。
井上委員 私は、地域問題は専門の一つですので、今までも各地を回ったり、調査研究
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